ADHDの治療 行動療法
2017/06/26
「行動療法」とは、簡単に言えば”しかること”と”ほめること”を組み合わせ、子供の行動を変化させていく治療法です。
例えば、授業中に席を離れるなど、やってはいけない行動がADHDの子供に見られたら、その場で注意し、場合によっては教室の外にだすなどの罰を与えます。
一方、授業の間、着席していられたときは、その場でほめたり、シールを渡して評価するなど、ごほうびを与えます。
ADHDの子供の行動は、本人の意識と関係なく無意識のうちに行っているものです。
ですので、言い聞かせて本人の目覚に働きかけても行動の変化はなかなか見られません。
そこで、ご褒美や罰を与えることで行動を変化させるのです。
具体的には、「トークエコノミー」や「タイムアウト」とよばれる行動療法がよく行われます
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トークエコノミー
小学生低学年ぐらいまでは、言葉でほめるだけでなく、目に見える形でごほうびをあげるのが効果的です。
この方法は、学校や家庭で簡単に行うことができます。
まず、やってはいけない行動をあらかじめ書き出しておきます。
これを子供にも見せます。
その行動をとったときに「マイナス5点」といった点数を決めておきましょう。
同時に「食器洗いを手伝う」などの罰を与えます。
逆に好ましい行動がとれたら「プラス10点」などと点数を増やします。
100点集まったら「アイスクリームを上げる」「ゲームができる」などのご褒美を与え、具体的な目標を定めます。
ご褒美と罰は行動が見られたらすぐに行いましょう。
「物で子供の気を引く」ことに抵抗を覚える人がいるかもしれませんが、ごほうびをもらうことで、子供は達成の喜びや自分にもできるという自信を得ることができるのです。
また、いけない行動をしても叱責されるのではなく点数が引かれるだけなので、自尊感情を傷つけることも少なくてすみます。
ADHDの子供にとって、自分の価値を見出し、自尊心を向上させることが、最も大切なことなのです。
タイムアウト
タイムアウトはいけない行動をとったときに行動を停止させ、好ましい行動に変化するのを促す方法です。
具体的には、ADHDの子供にやってはいけない行動を前もって伝えておきます。
その行動をとった際に先生や保護者が何度注意しても聞かなかった場合に、教室の隅っこに座らせるなど、なにもせずジッと時間を過ごさせます。
その間は、子供に話しかけたり、静かに従ったからといって終了後にほめたりしてもいけません。
本人にとって「退屈で、早く抜け出したい」時間でなければ、効果がないからです。
下記のような行動がタイムアウトの対象となります。
- 友達をたたく
- おもちゃを投げたり、壊したりする
- 動物をいじめる
- 大声で泣きわめく
- 先生や保護者が注意してもやめない
- 髪の毛を引っ張る
- 危険な行動をわざとする